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【書評】ソーシャルインフルエンス―戦略PR×ソーシャルメディアの設計図―

今回読んだのはこれ!

『ソーシャルインフルエンス―戦略PR×ソーシャルメディアの設計図―』
本田哲也・池田紀行著

 

戦略PRつながりで選んだ本ではあるが、

この本のテーマは戦略PRでもソーシャルメディアでもない。

 

この本のメインのテーマは

自分の「企て」によって、

人を、そして世の中を動かすためにはどうすれば良いのか?

ということである。

 

陸前高田スリランカの課題解決に携わりたいと

考えている私にとっては、非常にワクワクするテーマであった。

 

本書では、

情報があふれ、人々が関心を持たない情報が多くあることを指摘し、

人を動かすためには「自分ゴト化」させることが重要だと

述べられている。

 

ではどのように自分ゴト化させればよいのか、

というのが多くの人の気になる点であろう。

 

興味のない事柄を、自分の関心事項にするのは

簡単なことではない。

 

商品、サービスによっては、

興味を持ってもらうために、

その中身を改良しなければならないかもしれない。

 

しかし面白いことに、

本書ではその方法として、

「コンテクストの変更」をあげている。

 

コンテクストの変更とはどのようなものか。

 

「婚活」を例に説明したい。

まず従来、結婚相談所は

「結婚相手を探すのに必死な人が行くところ」

というイメージがあり、利用するには抵抗感を持つ人が多かった。

 

しかし一方で、調査によって

「好きな人と『出会って』恋愛結婚したい」と思う人が多い。

 

つまり「出会いの場」は欲しいが、

結婚相談所は出会いの場という認識はされておらず、

「焦り」や「必死」というイメージが先行しているのである。

 

そこで結婚相談所のコピーを

「結婚相手紹介サービス唯一の上場企業です。」から

「結婚したくなるぐらい好きな人探し」へと変えたらどうだろうか。

 

このように、

人々が受け入れやすく、利用したいと思うような

意味付けへと変えること。

 

それがコンテクストの変更である。

 

ただしコンテクストを変更する際は

ターゲットのどの琴線にささるのか、

きちんと考えることを忘れてはいけない。

 

このコンテクストの変更が

「自分ゴト化」をしてもらうために

最も重要なポイントである。

 

しかし、自分ゴト化してもらうだけでは 、

世の中を動かすパワーにはまだ到達しない。

 

仲間ゴト化、世の中ゴト化が、

世界を変えるインパクトを持つためには重要である。

 

「自分ゴト化できれば、自然と口コミが広がったり、

動いて他の人に影響与えたりするんじゃない?」

と思う人もいるだろう。

 

しかし、そのような偶然は待っているだけではやってこない。

 

仲間へそして世の中へ広げるには、

ちょっとした工夫が必要なのである。

 

その工夫とは、この2点だ。

・きちんとターゲットの琴線に刺さる内容であること

・シェアされやすい設定になっているか

 (ex.URLが貼ってある、共有したくなる画像があるetc)

 

あいまいなプランニングではなく、

ターゲットのどの琴線スイッチが刺激され、

それは誰に、どんなツールで、どんな言葉でシェアされるのか

考えなければ仲間ゴト化は成功しない。

 

そして、この仲間ゴト化の段階で活躍するのが

FacebookTwitterなどのソーシャルメディアである。

 

しかし、世の中ゴト化の段階では、

ソーシャルメディアでは広まる人の数に限界がある。

 

世の中ゴト化をするには

広告によるマスリーチと、

戦略PRによる売れる空気作りが必要だ。

 

 

以上のような

自分ゴト化×仲間ゴト化×世の中ゴト化をすることで、

人は動きたくなり、ムーブメントへつながるという。

 

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本書のなかで一番おもしろかったのは

自分ゴト化のためのコンテクストの変更である。

 

既にある商品の中身はそのままに、

伝えるべき価値の角度を変えるだけで、

自分ゴト化がしやすくなるというのは非常に面白い。

 

ただし、そもそも存在を知ってもらえるような

何かでなければコンテクストの変更をしたとしても、

相手には結局届かないだろう。

 

きちんとターゲットに刺さるように、

緻密なニーズの分析があって、

はじめてコンテクストが生きると考えられる。